マーガリンは世界最初の合成食品であり、最も成功した代用食品なのだそうです。マーガリンの開発は1800年代初頭にまでさかのぼりますが、本格的 に生産されはじめたのは1871年。晋仏戦争（1870〜1871年）の結果、バターが品薄となったフランスで、ナポレオンIII世が「バターと同じくら い食欲をそそり、栄養価の高い安定した油脂製品の開発に懸賞金を出す」と布告したところ、「オレオマーガリン」という名で賞を獲得したのが化学者のメー ジュ＝ムリエス（1817〜1880年）。彼はギリシャ語の「真珠のような」（margaritas）からとって「マルガリーン」と命名しました。実はこ れはバターとは程遠く、牛の肝臓の脂肪に、ミルクとスライスした乳腺（うげげ。。。）を混ぜた油。しかし彼はこれで特許を得ました。マーガリンはバターリ ン（人工バター）として、または偽のバターとして、１ポンド６〜１０ペンスで売られていました（本物のバターの1/2の値段）が、紛らわしいため、以後は バターリンという名前を使うのは法律で禁止されました。1889年、イギリスにはじめてのマーガリン工場が創設、製造開始されましたが、19世紀いっぱ い、イギリスはマーガリンの先進国オランダからマーガリンの大半を輸入していました。このトレイ（お皿）はそのマーガリンの販売促進のためにショップのカ ウンターに置かれたものです。当時人気のグリーンレター（緑文字）にはこう書かれています。「バターのような見栄えと味。カウンターでマーガリンをご用命 ください。とってもおいしいマーガリンがお召し上がりになれます。パークスストア」とあります。