このホーロー、何だと思いますか？私が最初にこれを見て思ったことは「シンクに置いて洗剤やスポンジを入れたら便利そう♪」、そして「なにやらレアものの匂いがする。。。」（＾＾；）ということでした。購入する前にもちろんディーラーさんに聞きました。いわく「年代はまったくわからない。自分はただこれを20年前に買っただけ」とのこと。レアものを求めるのはコレクターの常ですが、私は珍しいものなら何でもいいというわけではありません。「レアものハンター」は、まるで「森に分け入ってトリュフを嗅ぎ当てるイタリアの豚ちゃん」のように、レアものの匂いをかぎ分けてゲットするとてもマニアックでオタクに近いイメージがあります。その気持ちもとてもわかるのですが、「はて、これは。。。。？」と思いながらも便利そうなので購入しました。ホーローの剥げ具合がとってもいい感じ。。。それに持ったらずっしりと重みがあり、ホーローの厚みも感じます。ただ気になったのは、STERILIZER（殺菌）の文字。これは現代モノのコピーやリプロダクションのホーローによく見るものでした。現在出回っているものの本物を見つけたら、それは紛れもなく「レア」なものだと思っていい、スラブしかり、のです。年代も、真贋（しんがん）も鑑定しにくいものを和骨董の世界では「悩ませもの」と言うのだそうです。文字通り悩んだ末に、アメリカの凄腕ディーラーさんに写真を送り、「鑑定」してもらいました。すると、「写真を見るだけでははっきりとわからないが、これはおそらくイギリスのアレンバリー社のもので、赤ちゃんの哺乳瓶を殺菌するのに使われていたものだろう。表面に書いてある1907年というのはこのホーローのものとして正しいと思う」ということでした。ということは、100年近く前のもの。。。。。おお！そんなに高くなかったものなのに、みごとに「化け」たのでした。「いいものを安く買う♪」という主婦の究極のヨロコビをたまたまアンティークで実現してしまったPinoco、これからは私のことを「豚の鼻を持つPinoco」と呼んでください?!