実用的なのにおしゃれ！昔のスケールは用途によってサイズも形も様々でした。当時高価だった卵を量るためだけに作られたエッグスケール、郵便物用のポスタルスケール、そしてもちろん食品用のキッチンスケール。「スケール放浪」の末に辿り着き、我が家に長逗留（ながとうりゅう）しているスケールは今のところ3つ。いずれもイギリス、ソルター社製。この会社、縄の結び目がトレードマークで、製品はデザインによってすべて番号で呼ばれていました。イギリスがまだメートル・グラム法を採用していない時代に作られた、古いものです。ここでは一番のお気に入りをご紹介します。製粉会社のHome Pride社（フレッド君でお馴染みですね）が当時のはかりのトップメーカー、ソルター社に作らせたダブルネームのスケールです。お皿には「USE HOMEPRIDE SELF RAISING FLOUR」（パンにはHome Pride社の（ふくらし粉が入った小麦粉）のものをお使いください）とあり、かなりインパクトがあったと思います。なにせ、小麦粉を乗せるお皿に大きく「HOMEPRIDE」とありましたから。。。。このスケールで特筆すべきは、左右両側の金彩です。本体は鋳鉄ですのでさびやすく、この飾りが残っているのは珍しいのですが、是非皆さんにご覧いただきたい、美しいものです。よく見ると、ソルター社のトレードマークの縄と草花が絡み合っている絵柄です。何かを象徴しているのでしょうか、それともフランスでおこり、ヨーロッパ各地に飛び火していったアール・ヌーボー（草花や曲線を多用した華やかな芸術様式）の影響でしょうか。。。